最高のよく分からないエッセイ

牛への道 (新潮文庫)
そんなにたくさんエッセイは読まないのだけど、
今後の自分の人生において、これを上回るものは現れないという確信。
それが宮沢章夫、『牛への道』。英語では『Tao of Cow』。
何が面白いかというと、よく分からない。
実際、文中にも「よく分からない」とよく出てくる。
これって言葉で表現しようとする作家にとって致命的じゃないか、
と思ったりもするのだけど、実際、読んでるとよく分からなくなるのだ。
この人の手にかかればどんな些細な日常も、よく分からないものに様変わり。
しりあがり寿のアンニュイ表紙もよく分からないがとてもいい。