ここではないどこか

本の雑誌 300号
本の雑誌300号を購入。
宮田珠己補陀落渡海のエッセイが面白かった。
最初はぜんぜん字が読めなかったけど、
途中で「ああ、フダラクね」と合点する。
魍魎戦記マダラにいたよね、こういう名前のキャラ。
で、補陀落渡海というのは中世日本で行われた修行で、
海の向こうにあるらしい浄土を求めて航海に出るんだと。
ただし船は一人乗りで、中に入ると外から閉じられてしまう。
窓なんて小粋なものはもちろんない。
目なし船とかウツボ船とか呼ぶらしい。
つまり浄土にたどり着くまでずっとパーフェクトダーク
いったいなんのイジメだ?
たいていの人はどこかに漂着する前に
餓死や沈没であちらの世界に旅立ってしまう。
むしろ最初からそういうつもりか?
生きたまま土中に埋まる捨身行は聞いたことがあったけど、
曲がりなりにも目的地が設定されている分、
こっちのほうがポジティブなようでいて怖いと思った。